エイズの感染経路を断つ新たな治療法の可能性とエイズを理解する3つのポイント
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エイズウイルスは人の免疫を低下させ、様々な病気を引き起こさせる恐ろしいものです。かつては「死の病」と言われていました。
エイズを治療する際、これまでの考え方では、エイズウイルスを直接攻撃するという考え方が一般的だったのですが、今回の研究ではこれまでとは違った方法でエイズの治療を試みています。
理化学研究所、熊本大学 エイズウイルス、免疫細胞間の接触感染メカニズムを解明 | 大学ジャーナルオンライン https://t.co/yWgPV326cI
— 神里よしと(ライブドアブログ) (@yoshito410kam) February 12, 2016
理化学研究所と熊本大学の研究グループはエイズの原因ウイルスが細胞から細胞へと感染を拡大していく際の新たなメカニズムを解明することに成功しました。
これまでの抗エイズ薬とは全く異なる新たなエイズの治療薬の開発につながるかもしれません。
今でこそ、医学の進歩とともに感染者もほとんど普通の生活を送れるようになったのですが、それでもなお恐ろしい病気であることに変わりはありません。
今回紹介する研究では、エイズウイルスの感染メカニズムを解明し、感染拡大を防ぐための新たな治療法の可能性を見出すことができたようです。
では、そもそもエイズってどんな病気なんでしょうか??
なんとなく「免疫が低下する病気」ということはわかっていても、意外と深く理解しているわけではありません。この記事を書いてるぼくも実はそこまで詳しくはありません。
そこで、この記事では「新たな治療法」の紹介と共に、改めてエイズがどんな病気なのかをご説明したいと思います。
今回の研究のすごいところは??
今回紹介した研究のすごいところは「エイズウイルスを直接攻撃するという従来の治療法ではなく、ウイルスが他の細胞に感染する経路をなすことで、間接的に感染拡大を防ぐ」というところです。
接触による感染の原因と考えられているのが、細胞膜を貫いている管です。
細胞はこの管を一時的につなげることで、活動に必要な物質の交換を行います。しかし同時にウイルスも移してしまうのです。
この管を介した接触感染が感染拡大にどの程度影響しているのかを調べたところ、感染拡大の約半分は接触感染であることが分かりました。
さらに、HIV-1ウイルスに感染した免疫細胞を詳しく調べたところ、ウイルスによって管の形成が促進されることが明らかになりました。
そして免疫細胞が持つM-Secというタンパク質が、ウイルスが持つNefというタンパク質に反応することで管の形成が促進されていることも突き止めました。
難しい言葉がたくさん出てきましたね。できるだけわかりやすく解説するので、拒絶反応示さないでください。笑
どうやらエイズウイルスは、感染した免疫細胞に管を作らせ、その管を通って他の免疫細胞に感染しているようです。その過程の中で、感染された免疫細胞が機能不全を起こすため、エイズになると免疫力が低下するのです。
感染拡大の50%は管からの感染によるものなので、この感染経路を断つだけで、感染の拡大を大幅に防ぐことができます。
今後の研究では、免疫細胞が持つ「M-Sec」というタンパクの「細胞間の管を作る」という働きをどのように抑えるかが重要なポイントとなるようです。
これまではウイルスを標的とした治療が中心だったのに対して、今後は体の方に作用することでウイルスが感染できない環境を作ることが治療の鍵になるかもしれません。
細胞間の管を作る働きをどのようにコントロールするかで、今までにないアプローチでエイズ治療薬を作ることができるかもしれません。
こういう発想の転換ってすごく大事ですよね。いい結果が出るといいですね~。
研究に対する個人的な意見
この治療法で疑問に思うのは、M-Secというタンパクの細胞間の管を作る働きを抑えることによって、正常な免疫細胞の働きまで弱くならないのか??ということです。
なぜなら、先ほどの引用でもあったように細胞間の管は「正常な免疫細胞が活動に必要な物質を交換するために必要なもの」でもあるからです。
その管をなくすことで、エイズウイルスの感染拡大を防ぐことができても、正常な免疫細胞にとって必要な物質も供給されなくなるため、同じように免疫力の低下が起こるんじゃないでしょうか??
そこらへんの問題解決も含め、新たな治療薬の開発を行う必要がありそうです。
それでも、エイズの治療に新しい可能性が出てきただけでも喜ばしいことですよね。
では、改めてエイズがどのような病気なのか、もう少し詳しく掘り下げてみましょう!!
1.エイズとは??
エイズは、日本語でいうと「後天性免疫不全症候群」という、とてもむずかしい名前になります。
英語では
Acquired(後天的な)
Immune(免疫)
Deficiency(欠損)
Syndrome(症候群)
のそれぞれの頭文字をとってAIDS。
このエイズはどのような病気なのかというと、その名前の通り免疫力が低下する病気です。
免疫が低下する理由は、エイズウイルスが、細菌・カビ・ウイルスなどの病原体から体を守るのにとても重要な「CD4リンパ球」という免疫細胞に感染し、免疫の機能不全を起こすためです。
そのため、エイズになると健康な時には何の影響も受けなかった「病原性の弱い微生物やウイルス」によって様々な病気にかかるようになってしまいます。
2.感染経路は??
エイズの感染経路は、血液・精液・膣分泌液・母乳が挙げられます。
エイズの感染原因で最も多いのが性行為による感染で、続いて、血液感染、母子感染となります。
血液感染に関しては、輸血による感染を防ぐため「エイズ検査目的」の献血を絶対に行わないよう注意が呼びかけられています。
なぜかというと、エイズ感染初期の患者が献血された場合、現在の技術でもエイズウイルスを完全に検出することができないために検査をすり抜けてしまい、輸血でエイズ感染が拡大する恐れがあるのです。
だから、エイズ検査の目的のために献血を行うことはやってはいけないことで、そもそも献血した本人にはエイズ感染は通知されないようです。
また、エイズは空気中や水中では感染力をなくしてしまうため、日常生活ではそう簡単に感染することはないようです。
3.治療法は??
エイズを完全に治療することは難しいようですが、今ではたくさんの薬が開発されていて、すぐに死に至る病ではなくなったようです。
HIV感染症に対して、1997年からHAART(Highly Active Antiretroviral Therapy:多剤併用療法)という治療ができるようになり、HIV感染者の生命予後は飛躍的に延びました。
最近ではARTまたはcARTとも呼ばれるようになった抗HIV療法は、核酸系逆転写酵素阻害剤を2剤、それらに加えてプロテアーゼ阻害剤を1剤か2剤、または非核酸系逆転写酵素阻害剤を1剤、もしくはインテグラ−ゼ阻害剤を1剤組み合わせて内服するのが基本です。
なんか、たくさん薬の名前が出てきましたね。むずかしい。笑
薬学部の人は毎日こういうの勉強してるのかな??
どの薬がどういうふうに働くのかは置いといて、これだけたくさんの薬を飲まないとエイズ患者は命を保つことができないようです。
それでも、一昔前よりはだいぶエイズ患者の平均寿命は延びました。
デンマークで行われた調査※によると、C型肝炎がなく21世紀に治療をうけた25歳のHIV陽性者の場合には、その後35年以上の生活が送れるとしています。
抗HIV薬がなかった時代には、10年くらいしか生きられないと言われていたHIV感染症でしたが、ウィルス発見から約20年が経過し、治療の進歩によりHIV感染患者の生命予後は飛躍的に延びています。
素晴らしい進歩ですよね!!
いつかきっと、エイズも完全に治療できる日が来るんじゃないでしょうか。
まとめ
ぼくが幼い頃から、エイズは治療の難しい病として取り上げられていました。
ですが、今回紹介した研究によって、また新たにエイズを治療できる可能性が出てきました。
医学の進歩には、本当に素晴らしいものがあります。今後、もしかしたら本当にエイズを完全に治療できる日が来るかもしれません。
研究者がどのような方法でエイズの感染拡大を防ぐのか、基礎的な研究とともに新薬の開発に今後も目が離せません。また何か、新しい技術が開発されたら、できるだけわかりやすく解説していきたいと思います。
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