物理学の理論を楽しく学びたいなら『ぼくらは「物理」のおかげで生きている』がオススメ!
当ブログは完全未経験からプログラマーを目指す人のためのブログです
どうも、化学系研究者のかみざと(@yoshito410kam )です。
今日は物理に関する面白い本を見つけたのでご紹介します。
実はぼく、高校時代は化学と生物を習っていて、物理は全く触れたことがありませんでした。
だから、物理の楽しさは全くと言っていいほどわからなかったんです。
ただ、こうして研究者としてブログを書いている以上、いろんなサイエンスの楽しさを伝えたいと思い、物理にも手を出してみることにしました。
もしかしたら、生物・化学・物理・数学と様々な学問を学ぶことによって色んな物の見方ができるようになり、もっと質の高い研究ができるようになるかもしれませんからね。
これからさらに素晴らしい発見をするためにも、バックグラウンドとなる基礎的な知識はジャンルを問わず身に付けていこうと思います。
というわけで、今日は物理の理論を楽しく学ぶことができる本をご紹介したいと思います。
この本は、物理を全く学んでこなかったぼくでも簡単に楽しく理論を理解できるように説明してくれています。
この本を読んでから、日常の色々な出来事が物理の公式と結びつき、今までとは見える世界がガラッと変わってしまいました。
正直、物理がこんなに楽しい学問だとは思っていませんでした。
それはもう、完全になめてました。
全世界の物理学関係の皆様、なんかほんとすいませんでした。
『ぼくらは「物理」のおかげで生きている』は、高校生になってこれから物理を学び始める人や、ちょっと物理に興味はあるけど何から手をつけたらいいのかわからないという人、日常生活のあらゆる出来事を公式で表すことに快感を覚える変態の人にオススメの本です。
何事も、入り口は楽しいところから入った方が意欲的に勉強できるし長続きするので、ぜひこの本を物理を勉強するためのモチベーション作りに活用してみてください。
関連書籍として、同じシリーズの生物編も書評を書いています。
ぼくは、残りの「化学」と「数学」も集めるつもりです。
4つ全部集めると、もしかしたら願いが叶うかもしれないので頑張りたいと思います。(んなわけない)
さて、この記事では『ぼくらは「物理」のおかげで生きている』に書かれていた物理の面白い法則を少しだけご紹介したいと思います。
どれも知的好奇心を刺激するような内容なので、目を通してみてください。
物理に対する興味が一気に高まりますよ!
てこの原理
てこの原理という言葉は、物理を専攻していない人でもよく聞いたことがあるのではないでしょうか?
あまり難しく考えたことはないかもしれませんが、てこは「支点」「力点」「作用点」を備えた、力を増幅させるために物理学を応用したとても便利な道具なのです。
例えば、石の重さが30kgだとしましょう。
つまり、作用点に30kgの力をかけないと石が動きません。
このとき、支点〜作用点の距離と、支点〜力点の距離の関係によって、力点に加えるべき力の大きさが違ってきます。
仮に支点〜作用点の距離が10cmだとします。
このとき、支点〜力点の距離も10cmにすると、力点に加えるべき力は30kgとなりますが、もし支点〜力点の距離を20cmに延ばすと、力点に加える力は半分の15kgですみます。
さらに、支点〜力点の距離を30cmに延ばすと、力は3分の1の10kgで済みます。
引用 ぼくらは「物理」のおかげで生きている
この「てこ」で持ち上げることができる重さも、実は公式ではっきりと求めることができるのです。
こういうふうに、現実の世界で起こることを式ではっきりと示すことができるのも、物理学の面白いところです。
、、、、いや、ぼく物理初心者なんですけどね。
いかにも「物理やってきましたけど何か?」的な感じで語ってすいません。
でも、ほんと現実世界と照らし合わせて考えると、公式を覚えることも楽しくなるので、ついでにてこの原理の公式についても一緒に勉強してみましょう。
ちょっとややこしいかもしれませんが、この公式によって、てこの原理を使ってどのくらいの重さを持ち上げることができるのかを計算することができます。
考えやすくするために、例として「女の子がお相撲さんをてこの原理を使って持ち上げる実験」について考えてみましょう。
実験対象となる2人の体重がわかれば、どのくらいの大きさのてこを用意すればいいのかが計算できます。
そこで、2人に体重を聞くことにしました。
お相撲さんに体重を聞くと
「120kgでごわす」
と答えてくれました。
次に、女の子に体重を聞くと
「はぁ!?」
と言われてしまいました。
これ以上聞くのは怖いので、そのまま実験をすることにしました。
2人にお願いして、作用点〜支点までの距離が1m、支点〜力点までの距離が2mのてこに乗ってもらいました。
そうすると、てこの原理を利用しても女の子がお相撲さんを持ち上げることはできませんでした。
次に、作用点〜支点までの距離が1m、支点〜力点までの距離が3mのてこに乗ってもらいました。
そうすると、女の子はお相撲さんを持ち上げることができました。
女の子も「ザマァ」と喜んでいますね。
つまり、女の子でも上の図のようなてこを使えば、120kgのお相撲さんを持ち上げることができるのです。
では、実際にお相撲さんを持ち上げるために、女の子は力点にどれだけの力を加えたのでしょうか?
それは、先ほどの公式で求めることができます。
今わかっている数字を、すべて公式に代入してみましょう。
そうすると力点に加えるべき力、つまり、お相撲さんを持ち上げるために必要な力が求められます。
このてこの場合、力点に40kgより大きい力を加えれば、お相撲さんを持ち上げられるということになります。
そして図らずしも、女の子の体重は40kgよりも重たいということがわかりました。
日本人女性の平均体重がだいたい50kgくらいだということを考えると、まぁ当然の結果ですね。
さらに、一つ前の実験で「お相撲さんを持ち上げることができなかった場合」について考えてみましょう。
このてこを使った場合、お相撲さんを持ち上げるのに必要な力は60kgです。
つまり、女の子の体重は40kgよりも重たく、60kgよりも軽いということになります。
あと何回か同じことを繰り返せば、物理の実験をしていると見せかけつつ、先ほど「はぁ!?」と言ってきた女の子の体重を、、、、、、、。
男性の皆さん、てこの原理の悪用は絶対にやめましょう。
もし、てこの原理を悪用してセクハラで訴えられても、ぼくは一切の責任を負いません。
自分でなんとかしましょう。
そして、女性の皆さん。
街中で、てこの原理の実験をしている男性を見かけたら注意してください。
彼らは、無邪気にサイエンスを楽しむ純粋な人間を演出していますが、腹の中はドス黒い変態野郎どもです。
決して口車には乗せられないようにしましょう。
ハッブルの法則
距離が離れている星ほど遠ざかる速度が速いというハッブルの法則は、アメリカのハッブルという天文学者によって発見されました。
そのまんまですね。
なんのひねりもありません。
でも好きです。(?)
この法則は、天体の距離と遠ざかる速度を比較することによって発見された法則なのですが、これが現在では広く知られている「宇宙膨張論」を支えている法則なのです。
つまり、ハッブルの法則によって、宇宙が膨張しているという理論が正しいと考えられるようになったのです。
ハッブルらの発見に先立つ1922年、ソ連の宇宙物理学者フリードマンは、一般相対性理論に基づいて「膨張・収縮する宇宙」という解を求めていました。
平たくいうと、「宇宙空間そのものが時間とともに大きくなる(または小さくなる)」という意味なのですが、当時は宇宙は不変のものだという考え(定常宇宙論)が支配的だったため、特に注目されませんでした。一般相対性理論の創始者であるアインシュタインも、「理論上はあり得るが、実際には起こらない」とみなしていたようです。
そこに登場したのがこのハッブルの法則です。これはフリードマンの提唱した「膨張する宇宙」という枠組みで考えるとスッキリ理解できるものでした。
引用 ぼくらは「物理」のおかげで生きている
では、なぜ距離が離れている天体ほど遠ざかる速度が速くなるというハッブルの法則が、宇宙が膨張しているという理論を支えることになるのでしょうか?
この考え方は、宇宙を風船に例えると理解しやすくなります。
この風船を宇宙と見立てて、その中にA・B・C・Dという地点があるとします。
宇宙が膨張すると、当然のようにA・B・C・Dそれぞれの地点の距離も離れていきます。
その時、A地点に注目してみると、他の地点の離れ方はどのように見えるのでしょうか?
もし、それぞれの地点の間の距離が1kmであったものが、2km離れるまで宇宙が膨張したとしましょう。
そうすると、当然ですがA地点とB地点の距離は2kmとなります。
それを、今度はC地点も含めて考えてみましょう。
先ほどと同じように宇宙が膨張すると、A〜BとB〜Cの間の距離はそれぞれ2km離れることになります。
そうすると、A〜C地点の距離は4kmも離れることになるのです。
同じようにD地点も含めて考えると、地点Aから離れれば離れるほど、宇宙が膨張した時に離れる距離は大きくなるのです。
つまり、「距離が離れるほど遠ざかる速度が速くなる」というハッブルの法則に照らし合わせて考えると、宇宙が膨張しているということの説明がつくのです。
実際に目で見て確認できないような現象でも、このように証明された理論と照らしあわせることで新たな発見ができるのも、物理の面白いところですね。
宇宙が膨張しているということを考えると、宇宙で埋め尽くされた空間と、まだ宇宙が膨張しきっていない空間との境界があるはずです。
では、その境界はどのようになっているのか?
宇宙の果てに行くと、また違った世界が広がっているのか?
それとも、壁みたいなものがあってそこから先へは進めないのか?
そういうことを考えると、宇宙に対する好奇心は尽きません。
こういうことを考えると、興奮が収まらないのはぼくだけでしょうか?
あぁ、たまらん。(ひかないでね)
落体の法則
なんとなく、重い物と軽い物を同時に落とすと、重い物が先に落ちるイメージがありますよね?
ですが、空気抵抗が無視できるような状態では、重い物も軽い物も同じスピードで落ちていくのです。
この法則は、実際に実験をすることによって証明できるのですが、なんとこれを頭の中だけで実験を行う「思考実験」という方法によって落体の法則が正しいと証明した人がいます。
それが、あの有名なガリレオ・ガリレイです。
いやぁ〜ほんと、天才のやることは違いますね。
この話を読んだ時、素直に感動しました。
ガリレオ・ガリレイの思考実験
この問題、実際に実験してみようとすると、いろいろと困ります。例えば、「パチンコ玉とティッシュペーパーを同時に落としたら?」と考えると、明らかにティッシュの方がひらひらと舞って遅く落下します。これは空気抵抗によるものと分かっているので、「空気抵抗のない状態」で実験をする必要があります。
ただ、そんな場所を作るのは難しく、せめて空気抵抗の影響を小さくできる条件ということで、異なる材質で同じ大きさ・形状を持つ二つの球を作ればよいと考えつきます。
あまり軽すぎると空気抵抗の影響が大きくなるので、ある程度は重い球である必要がありますが、重いものを高いところから落とすとなると大変危険です。
そんな大変さを嫌ったためかどうかはわかりませんが、この問題に思わぬ方向から取り組んだ人物がいます。それが、かのガリレオ・ガリレイです。
ここで、ガリレオ・ガリレイが実際に行った思考実験とはどのようなものなのでしょうか?
ちょっと詳しく見ていきましょう。
ガリレオ・ガリレイは、「重い物と軽い物を同時に落とすとどうなるのか?」ということを思考実験によって確かめました。
重い物と軽いものを同時に落とした時、空気抵抗がないような状況でも重い方が先に落ちると仮定します。
そうすると、重い物と軽い物をロープで繋いで1つにした時には、全体の重さはロープで繋ぐ前と比較して重たくなっているので、落ちるスピードは速くなるはずです。
では、実際にロープで繋いだものと、そうでないものを落としてみましょう。
もし、重い物の方が速く落ちるという仮定が正しければ、ロープで繋いだ方が単体の物よりも先に落ちるはずです。
ところが、ロープで繋いだ方を落としてみると、その中でもさらに重い物が先に落ち、軽い物が後に落ちるという状況になってしまいます。
そのため、重い物が軽い物に引っ張られ、落ちるスピードが遅くなってしまうのです。
そうすると、ロープで繋いだものよりも、単体の物の方が先に落ちてしまうということになります。
このような結果になると、「重い物の方が先に落ちる」という仮定が成り立たなくなってしまうのです。
つまり、この思考実験から「空気抵抗のないような状態では重い物も軽い物も同時に落ちる」という考えが正しいということが証明されるのです。
この思考実験は、実際に研究をするときにはすごく重要で、この思考実験を行うと頭の中である程度実験のシミュレーションをし、結果を予測することができるようになります。
この精度が高ければ高いほど、研究を効率よく進めることができるようになるため、研究者や技術者にとって思考実験はとても重要なスキルとなるのです。
まとめ
いかがでしたか?
物理ってなんとなく、公式ばかり並べて難しそうなイメージがありますが、この本なら楽しく物理の理論を学ぶことができるのではないでしょうか?
どの勉強もそうですが、日常の物事と結びつけて考えて方が、楽しいし覚えも早いです。
「まずは物理の楽しい部分を学び、興味を高めてから勉強に入りたい」
そう考えている人はぜひ、この本を読んでみてください。
ぼくはもう、すっかり物理にはまっちゃいました。
いやぁ〜、このシリーズの本は本当に面白い。
ぼくは「化学編」と「数学編」も絶対に買います。
皆さんもよかったらぜひ読んでみてください(^^)
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